幼児のボキャブラリーの爆発のメカニズム

幼児のボキャブラリー急増メカニズムに新説――米研究 - ITmedia NEWS
はてブ経由で知ったのだが、記事を読んでもさっぱり意味がわからないので
しらべてみたよ。より詳しく知りたい人はサイエンスを購読しよう。


アイオワ大学のプレスリリース
http://news-releases.uiowa.edu/2007/august/080207researchwordspurt.html
論文のアブストラク
Defusing the Childhood Vocabulary Explosion | Science
Bob McMurray, assistant professor of psychology.


よーするに
誰もが経験することとして
幼児の一時期に、ボキャブラリーが爆発的に増えることがあると。
で、今までは何でそんな不思議なことがあるのだろうか、と
言語習得のスピードがなぜ加速されるのか
そのメカニズムが議論の的となっていたわけです。
たとえば、最初に学んだいくつかの言葉が
更に新たな言葉を学ぶのに役立つのではないか? とかね。


今回の研究は「そんなメカニズムなくてもいいのだ」という趣旨のものです。
それを数値シミュレーションで示したという。
ただし、二つの仮定を置いている。

  • 各単語の習得は並行して行われる(一度に沢山の単語を同時に学習する)
  • 各単語には、その単語の難易度に応じて
    「完全習得に必要な時間」が規定されており、
    難易度の高い単語のほうが難易度の低い単語よりも数が多い。

二つ目の仮定はちょっと分かりにくいと思いますが
要はすぐに覚えられるような単語はほとんどなくて
がんばって長時間学習しないと覚えられない単語が多いということです。
で、これらの仮定を瓶に置き換えましょうというのが
アイオワ大学のプレスリリースです。
一つの単語=一つの瓶
単語の難易度=瓶の大きさ
並行学習=一定時間が経過する毎に、全ての瓶に一枚ずつchipを入れる
学習完了=瓶がchipで満杯


で、実際どうなるかというと
すぐ満杯になるような小さな瓶はあまり多くないので
はじめのうちはあまり瓶が満杯にならない(=言葉を少しずつ覚えていく)。
ところがずーっとがんばって学習していると
そのうちたくさんある大きな瓶が埋まり始め、
一気にたくさんの瓶がいっぱいになる。(=ボキャブラリーの爆発)


なんと言うか、ちょっと考えれば
数値シミュレーションしなくても納得できるのではないかと。


↑の解説が正しいとは限りませんので詳細は原論文に当たりましょう