タイムパラドクス

SF好きの人なら良く知っていると思われる
「親殺しのパラドクス」(あるいは「自分殺しのパラドクス」)
という話がある。


まず、タイムマシンがあると仮定する。
で「俺」はそれを使って自分が生まれていない過去に戻り、
自分の親を殺す。あるいは、過去の自分を殺す。
(何に使おうと「俺」の勝手だ)


この話の何がパラドクスかというと、
俺は過去の時点で俺の親を殺す。
すると俺は生まれないことになる。
現在の俺がいないので
俺の親を殺す人間も存在しなかったことになる。
ということは俺は生まれてくる。
てことはやっぱり俺がいるので俺の親は殺され……


と、結局どういう状態が実現されるのかわからなくなってしまう。


このパラドクスによって
「従って、タイムマシンが存在するとした最初の仮定が間違っていたのだ」
背理法的にタイムマシンの存在を否定する論も結構ある。


この問題を理論物理学者が真面目に考えた結果がこれ
http://homepage3.nifty.com/iromono/hardsf/timeparadox.html


結論から言うと、二つ(あるいは無限個の)場合が挙げられている。

  • 俺が「俺を殺そう」とタイムマシンに乗ろうとしたところで
    突然、未来から俺がやってきて、俺に切りかかってきた。
    済んでのところで重症は免れた俺は、
    予定通り過去に戻って俺を殺そうとしたが
    さっきの怪我のせいでうまく殺せなかった。
    現代に帰ってきてから気づいたのだが、
    過去の俺はちょうどタイムマシンに乗ろうとしていたところだったな…。
    あ、そのせいで俺は怪我をしたのか。
  • 俺が「俺を殺そう」とタイムマシンに乗ろうとしたところで
    突然、別のタイムマシンが現れた。
    そこに乗ってた見知らぬ奴は、乗ってきたタイムマシンを自ら壊し
    かわりに俺のタイムマシンを奪って、過去へ消えていった。
    あ、さっき突然現れたタイムマシンは俺のだったのか。





結構面白い話だと思うが、これ実はSFでは良く出てくる話で
かの偉大なSF、「ドラえもん」でも見られたものだ。


「過去に戻る」という時の「過去」とは一体何なのか?
定義は何か? と考えると非常に面白い。
量子力学の断熱近似みたいな。意味分からん。
この話続きます。


ちなみに、上のページには他にも興味深い話が。
特に一般相対論をやった人や、宇宙論に興味のある人はぜひ読んでみてください。
そんで俺に噛み砕いて教えてや