ニートマーケティング

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20060503/neta060503
という”ネタ”エントリーを読んで、さらにかぶせます。

ですから「私の時間を、あなたに売ります」という商売が、今後もっとも期待出来るのではないか、と思うのです。


まあ、これって単に労働力の売買。数万年前からたぶん普及してる。
「あなたの代わりに店番するんで、お金ください」とか
「あなたの代わりに商品を売り込みに行くので、お金ください」とか
「あなたの代わりにデータ整理するので、お金ください」とか。
”あなた”が集団か個人かは雇用形態によって決まる、と。


”私の時間の値段”はもちろん売り手と買い手の交渉よって決まる。
売り手はなるべく高く売りたいし、買い手はなるべく安く買いたい。
レアで有用なスキルを持っていれば、値段は高くなる。


市場が理想的に開かれている(世界中の誰とでも労働力を売買できる。グローバル化によって、ほんの一部は実現)場合には、
基本的に自分のスキルで可能な仕事のうちで最大の利益のある仕事を見つけることができる。
が、それは”今すぐ働く必要”がない場合のみ。
つまり、現在裕福でない場合、もっというと十分な貯蓄がない場合には
”私の時間”が買い叩かれることになる。


”労働力を買う=企業”という単純化をすると
労働力を安く買い叩きたい企業にとって
貯蓄の無い移民が大量に入ってきたり、
経済格差が強まったりする事態は大歓迎ということになる。
スキルがあろうがなかろうが、
「とにかく何でもいいから働かないと、すぐにも餓死する」
人の時間は、安く買い叩ける。
逆にいうと、労働力を売る側にとっては、とんでもない話になりますわな。


こういう視点でいうと
ニートっていうのは「私の時間は売らない」人たちだといえる。
究極に妥協しない売り手。
いわゆる普通の人は「私の時間をなるべく高く売りたい。けど売れないのも困る」
と思っている。
経済的な理由or世間の目によって。
しかしニートは違う。


ニートに「働くのが普通なのだから働け」といっているのは
「みんな売っているのだから売りなさい」といっているに等しい。
「いま働いて貯蓄やスキルを得ておかないと、親がなくなったとき困るぞ」といのは
「数年後は誰も買ってくれないんだ。今のうちに売っておけ」というに等しい。
うーん。
どちらも親身に思っての発言でしょうけれど本人に通じるかどうかはワカランね。


で、ニートは”私の時間”を世界一大事にする人である。
にも関わらず、本読んだり映画見たり漫画読んだりして時間を消費している。


このことは実は何もおかしくはない。、
そもそも、娯楽とは時間を消費することにほぼ等しいからだ。
(小説を速読したっておもしろくもなんともない。
世間の流れについていくために、義務的に作品を鑑賞するのであれば別)
このことは忘れてしまいがちがだが、重要なこと。


ニートは、金も持ってる、時間も持ってる。
つまり、世界で最高の消費者である。
従って、これからの企業は、積極的にニートマーケティングをする必要がある。
といっても、もうすでに始まっている気もするけどね。



とりあえず実生活が忙しいと、どうでもいいことを考えてしまうくせを何とかせねば。と思ったエントリーでした。