第二章 傾いた軸

General Theory of Relativity (Princeton Landmarks in Mathematics and Physics)

二回目。張り切ってまいりましょう。



この章では曲がりのない座標における特殊相対論を扱う


直交座標から斜交座標へと変換すると
古い\Large \white dx^\muと新しい\Large \white dx^\muの間は線形変換で結ばれる。
従って
\Large \white (dx^0)^2-(dx^1)^2-(dx^2)^2-(dx^3)^2
という2次形式は新しい座標で表すと
\Large \white g_{\mu\nu}という適当な係数を用いた一般の2次形式
\Large \white g_{\mu\nu}dx^\mu dx^\nu
へと変換される。(\Large \white g_{\mu\nu}は座標に依存する値)
対称性から\Large \white g_{\mu \nu}=g_{\nu \mu}と取ることができる。


ここで一般化された反変ベクトルを新しく定義しなおす。
つまり斜交座標への座標変換について”も”
\Large \white dx^\muと同じ変換性を持つものを反変ベクトルとする。
すると反変ベクトル\Large \white A^\muについて、ベクトルの長さ
\Large \white g_{\mu\nu}A^\mu A^\nuは不変量となる。
もうひとつ反変ベクトル\Large \white B^\muをもってくると
\Large \white A^\mu+\lambda B^\muも反変ベクトルとなる。
このベクトルの長さは任意の\Large \white \lambdaについて不変量なので
長さを展開してやって、\Large \white \lambdaについてまとめたとき
それぞれの係数が独立に不変でなければならない。
従って\Large \white g_{\mu\nu}A^\mu B^\nuも不変量となる。
これがスカラー積である。


\Large \white g_{\mu\nu}行列式\Large \white gを考える。
これは0になることはない。
なぜなら、そのとき各軸が独立でなくなってしまい、座標系として不適だから。
一方で、一章で扱ったような直交座標の場合
\Large \white g_{\mu\nu}は対角要素が\Large \white 1, -1, -1, -1で非対角要素は0だったので
\Large \white g=-1となる。
従って任意の斜交座標について\Large \white g< 0となる。
なぜなら斜交座標への変換は連続的に行うことができ、
\Large \white gはそれに伴って連続的に変化するが
\Large \white g\neq 0であるから。


共変ベクトル\Large \white A_\mu
\Large \white A_\mu=g_{\mu\nu}A^\nuによって定義する。
\Large \white g\neq 0であるから
この四つの方程式は逆にとくことができる。
そのといた結果を適当な係数\Large \white g^{\mu\nu}
を用いて
\Large \white A^\nu=g^{\mu\nu}A_\mu
とあらわしてやる。
すなわち\Large \white g^{\mu\nu}\Large \white g_{\mu\nu_の余因子である。
従って\Large \white g^{\mu\nu}=g^{\nu\mu}も成立する。

上の式のうち一方をもう一方に代入してやると
\Large \white A_\mu=g_{\mu\nu}g^{\nu\rho}A_\rho
が任意の\Large \white A_\muにおいて成立する。
従って
\Large \white g_{\mu\nu}g^{\nu\rho}=g^\rho_\nu
ただし、
\Large \white g^\mu_\rho \{ \array{&=& 1 \; for\; \mu=\rho \\ &=& 0 \; for\; \mu \neq \rho}
である。



コメント:早くも怪しくなってきた。
斜交座標への変換は分かるが、
斜交座標のローレンツブーストとかあまりイメージできん。
問題ないんですかね。うーん。問題ないんでしょう。
あと、余因子。余因子が何であるかはかろうじて覚えているが
連立方程式を逆にとくと係数が余因子になるというのは
思いだせない。線型代数の教科書でも読み直すか。
要するにある行列とその逆行列との関係を
余因子を用いて簡潔に表現できるのだろう。
とりあえず次回までの宿題。